2006年01月22日

トーベ・ヤンソン/誠実な詐欺師

トーベ・ヤンソンは、有名な「ムーミン」シリーズを書き終えた後、大人向けの物語をいくつか発表しました。それらの作品は、どれも読み応えがあって素晴らしいです。その中で、この「誠実な詐欺師」は、北欧らしい雰囲気が感じられる物語です。

舞台は北欧の小さな村。季節は冬。もちろん周囲は雪に囲まれています。

「ここひと月、この海辺の村は降りしきる雪に見舞われていた。村人は朝寝坊をきめこむ。もう朝らしい朝も来ないのだから」

物語はこんな文章から始まり、ある「事件」が静かに進行し、春の気配を迎えて終ります。「誠実な詐欺師」・・人はそれぞれ違った意味での誠実さをもっています。自分にとっては「誠実」と思って疑問を持たなかったことでも、ある人からみればそれは「不誠実」「偽善」に映ることがあります。それが明らかになったとき、人は自らの弱さを知ることになる。でも、その弱さを認めたとき、人はいちばん誠実な姿を見せるのだと思いました。

寒い冬にぴったりの小説です。

4480770127誠実な詐欺師
トーベ ヤンソン Tove Jansson 冨原 眞弓
筑摩書房 1995-12

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posted by nina at 16:24 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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