2005年11月15日

ゲルハルト・リヒター回顧展−絵画の彼方へ−

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「ゲルハルト・リヒター −絵画の彼方へ−」
2005年11月3日(木・祝)〜2006年1月22日(日)@川村記念美術館

ゲルハルト・リヒターの回顧展が、千葉県の川村記念美術館で開催されています。

ゲルハルト・リヒターは、現代最高峰と評価されている、ドイツ人の画家です。近代、視覚的な美術の中心であった絵画は、テクノロジーの発達に伴って登場した写真やヴィデオ、コンピュータ・グラフィックなどの登場によって、その表現の限界が露呈しつつある、とされています。かんたんに言うと、写真やヴィデオやCGで何でもできるのに、なぜわざわざ絵を描くのか?絵画でなくては表現できないことなんてあるのか?という疑問が沸き起こってきたのですが、画家達はそれに対する説得力のある答えを見つけられていない、ということです。

そんな中、ゲルハルト・リヒターは1960年代からかたくなに絵画という表現手法を追求してきました。そんな中で彼がつかみ出したひとつの手法が「フォト・ペインティング」です。近代の画家は、写真のようにリアルな、精密な絵画を描くことをひとつの目標、到達点に据えていました。しかしその目標は、写真などの登場で意味を持たなくなってしまいました。そこでリヒターは、「現実」をまったく逆の方向から捉えようとします。つまり写真をもとに絵画を描くことです。用いられる写真は日常の何でもない光景を写した雑誌の広告や、一般人が撮って失敗したものまで。それを絵画として描き、最後に全体をぼかすことで、現実の場面でありながら、微妙にぼんやりしていたり、歪んでいる、不思議な印象をもつ作品をつくりだしました。これらの作品によって、現実は目に見えるものではなく、いつもどこかぼんやりと不明瞭なものであることを、観るものは直観的に理解します。

4473032698GERHARD RICHTER ゲルハルト・リヒター (DVD付)
アルミン・ツヴァイテ 清水 穣 林 道郎
淡交社 2005-09-15

by G-Tools


今回の回顧展では、同時にカタログもリリースされました。この公式カタログは、書店でも購入可能になっています。この本には8分のDVDが付属していて、リヒターのメッセージを(短い間ですが)聴くことができます。彼は「絵画(優れた芸術)には、常に把握不可能で、作ってみるまでわからない部分がある。それだから面白い」という意味の発言をしていました。ひょっとしたら、その「作ってみるまでわからない」という部分が、リヒターの創作にとって最も重要なことなのかな、と思いました。そして絵画は「手」が直接かかわることだからこそ、その不思議さ、面白さがダイレクトに作品に反映されるのかもしれません。その点が絵画に残された可能性といえるかもしれないですね。
posted by nina at 15:44 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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